福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程とは

福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程の目的と特徴

目的
①福祉職員が、自らのキャリアアップの道筋を描き、それぞれのキャリアパスの段階に応じて共通に求められる能力を段階的・体系的に習得することを支援します。
②法人、事業所が主体的に職員のキャリアパスを整備し、これに沿った職員育成施策を確立、実施することを支援します。
特徴
①福祉職員のキャリアパスに応じた資質向上を段階的・体系的に図ります。
②あらゆる事業種別・職種を横断した福祉職員全般を対象とします。
③研修内容の標準化を図った、全国共通の基礎的研修です。
④さまざまな研修実施機関・団体が連携して実施します。

福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程のテキストとプログラム内容

福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程のテキストとプログラム内容

  • 第3セッションでは、各階層で特に重点的に学ぶべきテーマを取り上げて、グループワークを行います。
  • 本研修課程では、事前課題、事後課題を設けており、それぞれ直属の上司から本人に対し、期待やアドバイスなどのコメントをいただく仕組みになっています(意義については、以下の「福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程のめざすところ」を参照)。
  • 段階的に受講することで、知識を深め、能力を高めます。  
    ↓イメージ図

イメージ図1

※学校教育のように、段階的・体系的に習得できるプログラムです。

イメージ図2

福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程の目標

管理職員研修課程
①管理職員としてのキャリアデザインと職場環境整備のあり方を学ぶ。
②福祉サービスの基本理念と倫理の徹底・浸透のための手法を習得する。
③管理職員としてのリーダーシップの醸成を図る。
④管理職員としてのキャリアアップの啓発課題を確認し、方向性を明確にする。
⑤職場管理・役割行動に関する行動指針を確認し、挑戦目標を設定する。
チームリーダー研修課程
①チームリーダーとしてのキャリアデザインとセルフマネジメントのあり方を学ぶ。
②福祉サービスの倫理と基本理念の実践的検証と考察、指導のための手法を習得する。
③チームリーダーとして職場の問題解決手法を学び、問題解決能力を高める。
④チームリーダーとしてキャリアアップの啓発課題を学び、方向性を明確にする。
⑤チームマネージメントの役割と行動指針を確認し、挑戦目標を設定する。
中堅職員研修課程
①中堅職員としてのキャリアデザインとセルフマネジメントのあり方を学ぶ。
②福祉サービスの倫理と基本理念の理解を深め、実践での手法を習得する。
③チームケアの一員としてメンバーシップやチームワークのあり方を再確認する。
④中堅職員としてキャリアアップの啓発課題を学び、方向性を明確にする。
⑤中堅職員としての役割と行動指針を確認し、挑戦目標を設定する。
初任者研修課程
①自身のキャリアアップの方向性について自覚を深める。
②福祉サービスの基本理念と倫理についての基礎を習得する。
③チームケアの一員としてメンバーシップやコミュニケーションの基本を学ぶ。
④キャリアアップに必要な啓発課題について基本を学び、啓発意欲を高める。
⑤福祉職員として役割行動と行動指針を確認し、自己のキャリアデザインとアクションプランを策定する。

福祉職員キャリアパス対応生涯研修課程のめざすところ

なぜキャリアパスが人材育成に必要なのか?

キャリアパス(career path)とは、職員の方が「どれだけの期間」、「どんな資格・能力」を身に付ければ次へステップアップできるかを定めた、キャリアアップの仕組みです。それにより福祉職員が将来の見通しをもって働けるようになります。職員に周知されていなければ、キャリアパスを整備した意義が充分発揮されません。  
キャリアパスの周知は、遠い将来だけでなく、現在の立場において求められる能力や役割について、職員の理解が深まります。職員が、自分の現状と、法人・事業所の求める理想の職員像とを比較し、足りないところを補い、得意なところを伸ばす。求められるところを知ることで、目標を定め、努力することができます。

なぜ本研修課程が人材育成に有効なのか?

自分のありたい姿を明確にするには、自分を振り返り、考える時間が必要です。  
本研修課程では、キャリアデザイン力を高めることを目標にしています。キャリアデザインとは、職員として将来なりたい姿を実現するための道筋を主体的に描くことです。  
本研修課程では、事前課題と事後課題に対する上司コメント欄を設けており、上司と職員とを結びます。事前課題では、事業所として職員に、本人の持ち味や、「こうなっていってほしい」という「期待」を伝えてください。その期待をベースに、職員は自分の目指す方向を考えます。  
自分一人で考えるだけでなく、福祉業界の異なる分野・異なる職種・異なる地域の方とグループワークをし、多様な意見に触れることで、自分の特徴が見えてきます。外部との交流機会は職場外研修の醍醐味です。  
事後課題では、職員が描いたキャリアデザインにエールやアドバイスを贈ってください。職員のキャリアデザインを共有することで、事業所による支援・計画的な人材育成につなげます。  

なぜキャリアデザインが大切なのか?

キャリアデザインにより目指す方向が決まると、そこへ向かうための第一歩(目標)が設定できます。目標が持てると行動にうつせます。行動すると結果が伴います。達成感が生まれます。評価されると成長を実感できます。さらに次の一歩(目標)へと進む意欲となります。  
福祉職員には社会への貢献や、やりがいをもとめて入職された方が多いです。職員の方々が生き生きと働ける職場づくりは、定着・確保に必要なことの一つです。  
職員の定着、成長は、サービスの向上につながり、利用者へと還元されます。  
キャリアデザインは職員の職業人生の意味を深め、その価値を高めるだけでなく、人材の確保・定着、サービスの向上に寄与します。  
愛知県の福祉をさらに魅力あるものにするため、福祉の現場で働く皆さんの、お手伝いをさせてください。